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トイレでおもてなし

日本のトイレはおもてなしの心でいっぱいです。 幼いときは大に行くのが恥ずかしいものです。しかし、今では100m毎に一軒の「コンビニ」が在るのではというほど、コンビニが溢れてトイレには事欠きません。そのコンビニも、特に朝夕にはトイレを利用する人が多く、トイレの清潔さも立ち寄るコンビニの要素の一つとなっている方も多いのではないでしょうか。 トイレは、用を足すだけの場ではなく、小さな空間に自分一人だけの時間、だれにも邪魔されることのない小空間で気持ちをリセットしたり、一日の心の準備をしたり、考え事をしたり、化粧を直したり、時には着替えたりすることもあるかもしれません。既に多目的な空間となっています。 さらに、「最初にまずトイレを見ろ」と言うように、人となりや会社などの良し悪しの判断基準にまでなっています。それだけに、現在のトイレに求められる質は非常に高いものとなっています。建築基準法上「居室」という捉え方でも良いような気さえします。 現在では、ホテルはもとより、駅やショッピングセンターやスーパーマーケットまで、今や日本にいて綺麗なトイレがなくて困ることはほとんどないでしょう。でも、コンビニなどなかった時代、我慢できず知らない家のピンポン鳴らしてトイレを借りて、そこで新しい人間関係が出来たこともありました。携帯やコンビニやパソコンなど、世の中がどんどん便利になるとともに、人とのつながりがバーチャルでお手軽になりすぎて、心の通った対話が希薄になっているように感じます。SNSで会話していても、実際会ったら顔も覚えていない・・・なんてこともよくあるお話。。。 コンビニが街を形成しているかのような地方都市の風景にも、寂しさを覚えます。 しかし、美しくクオリティの高いトイレ環境は日本の誇るところでもあり、美しい街づくりに大いに寄与しています。当事務所の設計においても、長居したくなるような、美しいトイレの提案をいたします。 また、大分市では「おおいたトイレンナーレ」という面白いイベントも開催されています。おおいたトイレンナーレは、2013年度から2015年度の間に、商店街の店舗や公共施設等のトイレを改造して15点程度の現代美術の作品を制作し、2015年に美術展を開催するものです。2015年春には大分駅ビルが完成し、更には大分県立美術館が開館するなど、大分市中心市街地は大きく変化する予定であり、この企画は大分市中心部に人を呼ぶ込むことを目的としているイベントです。 ↓以前もブログで載せましたが、こんな斬新なトイレにお目にかかるのもまた面白い。

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